ご挨拶

漢方に詳しい相談薬局「笹塚薬局」です。

大正10年に初代・笠井清彦(祖父)が渋谷区笹塚に立ち上げた(有)笹塚薬局は2代目・笠井孝悦(父)が引き継ぎ、漢方(日本の漢方の始祖・渡邉武先生に師事)と鍼治療を加えた東洋医薬の裾野を広げてまいりました。

その後わたくし3代目・笠井良純は生薬の道を究めるべくして、東京薬科大学大学院にて生薬学の薬学修士を修め、その後父と同じく渡邉武先生(日中医薬研究会)に師事して東洋医学に没頭しながら今日に至りました。

漢方相談からゼラチン(豚皮) 、中村菌製剤などの通信販売も行っております。
また、その他こちらのホームページでご紹介させていただいていない商品も多数ございます。
お気軽にご来店、お問合せください。

薬剤師 薬学修士(生薬学)
笠井 良純

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  • 人体の仕組み

    われわれ人体は、食物を食べて消化・吸収を行い、呼吸によって取り込んだ酸素によってこれらの栄養成分を燃焼させて体温を産生しています。ところが燃やす熱量があれば、捨てる熱量がなければバランスがとれま...

    人体の仕組み

    われわれ人体は、食物を食べて消化・吸収を行い、呼吸によって取り込んだ酸素によってこれらの栄養成分を燃焼させて体温を産生しています。ところが燃やす熱量があれば、捨てる熱量がなければバランスがとれません。 われわれの人体では、産生した熱量を呼気、大小便でも排熱していますが、平静時でも全産生熱量の約半分~2/3は皮膚から排熱しています。皮膚からの排熱方法には発汗(温水として熱を排泄)、輻射(赤外線として熱を放射排泄)もありますが、最も重要な熱の排泄方法は蒸泄(皮膚ににじみ出た水分に熱を与えて蒸発気化させ、気化熱を奪ってもらうことによる熱の排泄)です。 末梢血管からしみ出した水分は皮膚表面までしみ出します。続いて皮膚まで運ばれた水溶性・脂溶性の熱量を受け取って、この水分が気化します。このときこれらの熱量は気化熱となって空気中に放熱されます。 このような代謝によって全身で産生される代謝熱は、24時間止まることなく排熱され、皮膚をはじめ内臓や器官の正常な代謝を維持することができ、一定の体温を保つことができます。 したがって次のような状態が続くと皮膚温度が低下して蒸泄ができなくなり、皮膚表面付近に蒸散しそこなった水分がたまって全身に冷たいラップをかけたような状態が続いて「万病の元」となります。 ストレスが多い生活 (対人関係・時間・お金などに追われて悩む生活) → 交感神経過緊張で末梢血管が細くなり、皮膚温度が低下する 冷えを受けやすい生活環境 (水のある職場や冷房の効いた場所での生活) → 皮膚温度が低下して代謝熱の蒸泄ができなくなる 水分・果物の過剰摂取 (水・お茶・ジュース・牛乳・ビール・酒等飲み物全般と果物) → 胃腸の温度が低下し、内臓の血流・代謝能力が低下して皮膚下にむくみとして水分がたまり、皮膚温度が低下する 衣服の薄着 (ミニスカート・ジーパンのローライズ等) → 下腹部やふともも等、冷えを受けやすい部分に慢性的な冷えを受けて、全身の皮膚温度が低下する シャワーや熱い風呂への短時間入浴 → 身体の表面が一時的に温まるだけで、時間が経つと急速に皮膚温度が低下する 香辛料の不足 (薬味・スパイス全般の不足) → 体温を上昇させるもとである香辛料が不足すると皮膚温度が低下する 以上のような状態が長く続くと全身の皮膚表面から蒸泄できない代謝熱が体内にこもるので、肺から排熱して咳が慢性化したり、膀胱からの排熱に熱が集中して膀胱炎を頻発したり、女性では生理で代謝熱を排熱しようとするために不正出血が持続的に起こったりします。 この状態を放置すると代謝熱が身体の深部にこもり、血液が熱で変性を起こします(瘀血)。こうなると末梢血管に入れない変形した赤血球が増加するので、手足など「末端の冷え」も起こりやすくなります。...

  • 新薬と漢方薬の違い

     これまで漢方薬が良いと論じてきた学者・医師の中で、この2つを明快に区別して論じた人はほとんどいません。いやわかっている人は皆無であると言っても差し支えないかもしれません。 「漢方薬は自然のも...

    新薬と漢方薬の違い

     これまで漢方薬が良いと論じてきた学者・医師の中で、この2つを明快に区別して論じた人はほとんどいません。いやわかっている人は皆無であると言っても差し支えないかもしれません。 「漢方薬は自然のもので人間も同じ自然のものだから体にやさしい」と漢方薬を評価する方はよく言いますが、子供への説明ではないので説得力に乏しいと言わざるを得ません。  一方で新薬を評価する方には「漢方薬や生薬など自然のものから抽出した有効成分の有効性をさらに高めたものだから、むしろ自然の成分より優れている」と言う方が多いのが実情です。しかしこれは以下に説明するとおり、全体的な代謝を全く考慮していないので無理矢理新薬を評価しようとする言い訳にすぎません。 新薬も漢方薬も体にとって「異物」である このように書くと以外に思われる方がほとんどかもしれませんが、皆さんが御存知の有効成分と呼ばれる成分は、糖質・脂質・タンパク質・無機質のいずれでもありませんから、体に組み込んで利用するわけにはいかないのです。 炎症・痛みを止めたり、悪い菌を殺したりと身体のためになるはずの有効成分は、体内に入ってくると、速やかに解毒・抱合・排泄と代謝されます。つまり体は有効成分を嫌がって、いかに速く体外へ排泄するかと知恵を絞って代謝していることからもわかるように、どんなに優れた新薬でも漢方薬でも所詮「薬」は体にとって「異物」なのです。 「異物」である薬物を解毒する薬物代謝酵素群は交感神経作動性と大きく関わっていて、頻繁に薬物を体内に入れると外敵である「異物」が常に体内に入ってくる状態になるので交感神経興奮状態になり、不眠・慢性頭痛を始めとする体調不良に襲われるリスクが高まります。 人類は野菜など自然のものを代謝する能力を獲得してきたのですから、体に入れる物質についても同じ自然の代謝によってできる天然の成分ならば問題は起きません。 一方石油から化学的に製造された新薬は、効果第一主義で身体の代謝の負担まで考慮していませんから注意が必要です。 同じ異物でも漢方薬を勧める本当のわけ 新薬も漢方薬もわれわれにとっては異物ですから、もちろん基本的には人体の栄養素ではないので、あまり長期間にわたって服用するべきものではありません。しかし新薬と漢方薬は以下の理由で全く違うものであることを認識して頂く必要があります。 漢方薬・・・症状を抑えるものではありません。痛み・炎症・出血などはすべて血流や代謝が停滞して起こるものと考えます。漢方薬はその停滞した代謝能力を全身にくまなく流して代謝の「止」を「動」にすることで、痛み・炎症・出血などを分散してなくしてしまいます。代謝を「川の流れ」に例えると、ところどころにゴミがたまってできた「ダム」のせいで流れが滞ったり、周囲へあふれてしまった状態をゴミを取り除くことによって元通りの川に戻す作業を行います。 新薬・・・・原因はあまり気にしていません。痛み・炎症・出血などはすべて体にとって悪い反応であると決めつけていますので、とにかくこれらを止めて日々の生活を送ることができるようにすればよいと考えます。川の流れに例えると、ゴミがたまって流れにくくなった場所を元通りに治すのではなく、洪水が起きないようにその部分に水を流れなくしたり、導水路を別に付け替えて流れを変えてしまう改修工事(手術)とかによって事故の起こる確率を下げる手段をとるだけです。決して元通りにもどそうとするわけではありません。 新薬は一般にそのほとんどが代謝を「止める」薬です。一時的ならともかく、代謝を止め続けてしまうと、組織の壊死や障害が残って新たな病気にかかってしまいます。新薬による治療はこのような理由からお勧めできないのです。手間がかかっても元通りの代謝ができる状態にもどすほうが賢明です。慢性の頭痛持ちの方でも頻繁に鎮痛剤を服用することはあなたの体のために避けるべきです。 現在の新薬開発は幼稚な発想の極致 そもそも新薬の大半は、自然の生薬の薬効や、有効成分のスクリーニングから出発しています。ところが自然はうまくできたもので、一般に薬効が強くて毒に近い効果を示す成分ほど解毒・排泄されやすく効果が長続きしません。 そこで、その薬効を現す時間を延ばすために化学構造に手を加え、解毒・代謝されにくくしたり、薬効を発現するレセプター(受容体)に結合したら離れにくくするなど、自然の摂理に反する化学物質を作り続けています。生物は何億年もの間、体内に入ってくるあらゆる物質を解毒・代謝する知恵と能力を身につけてきましたが、新薬は蓄積してきた知恵と能力を無視して解毒・代謝されにくくして体内に残留させようとします。 したがって短期間の服用ならともかく、長期間服用しているとどんな副作用に見舞われるか想像してみて下さい。長期間服用してよい新薬などひとつもないのです。 新薬開発は全体の代謝を考えないひとりよがり 例えば、ある生薬から痛み止め効果の強力な成分が数種類(仮にA,B,C,D,Eとします)見つかったとします。すると製薬会社は、その中から最も効果の強い成分Aをひとつ選抜しますが、先ほど述べたように効果の強い成分は有効時間の短いことが多いので、化学物質Aに加工を加えて「持続性」という名の「毒」をつくり出します。 ここで本来考慮しなければならないのは、数種類の他の成分(B,C,D,E)は何のためにその生薬に含有されているのかということです。植物は限られたエネルギー代謝の中で遺伝子を読み出して成分をつくっているので無駄なものなど全くないのです。例えば成分Aは成分B,C,D,Eなしできちんと効果を発揮して、きちんと解毒・排泄されるのかということです。 野球に例えると野球チーム9人を有効成分と考えた場合に、優れたイチロー選手がいたとして、他の8人の選手が全員草野球のシロウトだとしたらどうでしょうか?戦えますか?実力を発揮できますか?代謝も薬効もチームプレーなのです。ましてイチロー選手だけ取り上げて特別メニューできたえ上げれば、どこのチームに入っても必ず実力を発揮できるでしょうか?やはりイチロー選手のレベルに見合ったチームプレイヤーがメンバーであることが必須条件です。イチロー選手だけに目を向ける考え方は全体として働くチームプレーを全く考えていません。 新薬開発とはこのようなことなのです。一般に自然の生薬は1つ有効成分が見つかると、ほとんど似た成分が数種類~数十種類必ず含まれています。他の似た成分全体は、1つの有効成分とのチームプレーを必要としています。これらを野球チームで考えると、ひとつの目立つ成分だけを取り出すことが無意味で、危険性も有効性も考慮していないかおわかり頂けると思います。 ひとつの成分で発ガン性・急性毒性・慢性毒性・有効性等を緻密に研究しているなどという発想が、いかに全体の代謝を考慮しない幼稚な発想であるかを知るべきです。「生薬の麻黄」と「含有成分エフェドリン」を同じに考えるのは適切ではありません。 新薬と漢方薬の違いを簡単に述べると 新薬と漢方薬は、原料が石油か自然の生薬かの相違ではありません。その作用に決定的な違いがあります。 漢方薬は発汗作用や大小便の排泄を促す等のように、代謝に「流れ」をつけるのが作用のメインです。一方の新薬の場合は痛み・炎症があれば、それを止める鎮痛剤・抗炎症剤を、あるいは何かの検査項目に異常があれば、それを抑える薬を与える作用がメインです。 つまり代謝を止めて検査項目の数値が正常範囲内に収まるようにするわけです。ですから一般に新薬は対症療法と呼ばれるように病気を治しているわけではありません。以上を要約して新薬と漢方薬をそれぞれ「漢字一字」で表現すると、下記のようになります。  「新 薬」・・・【止】・・・代謝を止める  「漢方薬」・・・【流】・・・代謝に流れをつける 確かに痛み・炎症があれば止めたくなるのはわかりますが、痛み・炎症は、生物がその部位を治そうとしている治癒反応ですから、新薬で短期間に少しだけ抑えるのなら止むを得ませんが、長期間にわたって代謝を止めてしまうと、危険だからという理由だけで村にもどるのを阻止された中越地震後の山古志村と同じように、局所がもとにもどらない組織になって傷みます。...

  • あなたの身体は、なぜ良くならないのか?

    病気治療を何ヶ所も変えて、何年も行っても全然自分の病気がよくならない方が年々増加しています。これは一体何故でしょうか? ひと言でいってしまえば、医療機関での治療と称する行為が、全く逆の方向へ向...

    あなたの身体は、なぜ良くならないのか?

    病気治療を何ヶ所も変えて、何年も行っても全然自分の病気がよくならない方が年々増加しています。これは一体何故でしょうか? ひと言でいってしまえば、医療機関での治療と称する行為が、全く逆の方向へ向かってしまっているからにほかなりません。 病気で検査を行って、いくつかの項目で異常な数値が出ると、それらの数値の元となる代謝を抑える薬が数種類処方されます。まさに「もぐらたたき」にほかなりません。このような治療を施すと、始めのうちは薬の効果でそれらの数値が下がり「治癒」に到ったように見えます。 問題はこれから先です。その時点で薬の投与を止めればよいのですが、ほとんどの医療機関では「薬の効果が出てきたのでもう少しこのまま薬を続けましょう。」とか「この薬で体調がコントロールされているのだから、このまま続けて完治させましょう。」などと言われて結局薬の服用を続けさせられます。 新薬はその大半が代謝を止める薬ですから、全身の代謝まで低下してしまいます。すると低体温になって血液もドロドロの状態になりますから、総合病院にかかっている場合には、加えて多くの科目を受診させられ、もっと多くの種類や量の薬を服用させられることになり、さらに低体温化が進行して血流の悪い部分には組織の障害(潰瘍等)が起こります。これが慢性化して組織の障害と修復が何度も繰り返されて冷えが常習化するとガンになります。またもしも組織障害が起こらなければ「うつ病」になってしまいます。「うつ病」は冷えの極致です。 問題は、あまりに素直に医師の言うことに一から百まで従うことによって起こる不幸なのです。 次から次へと科目を変えて診察・検査を受診すると次々と異常が発見され、ますます服用すべき薬が増えて身体は正常な新陳代謝ができなくなって破綻します。診察・検査を受診することは決して悪いことではありませんが、その後もらう薬を次々と積み重ねるようにして大量のくすりを服用することは絶対に避けるべきなのです。 問題なのは、医師と薬剤師の低い意識レベルにあります。例えばある患者が内科を受診して、薬を4種類服用するように指示されたとします。次に念のため消化器科を受診しなさいと言われて、5種類の薬を服用するよう指示されたとします。さらに耳鼻科を受診して、3種類の薬を服用するように指示されてもらった処方箋を薬局へ持ち込むと、組み合わせに問題(副作用等)がなければ、何の疑問も持たずに合計12種類もの薬を渡されてしまいます。 これほどたくさんの薬を一度に出すのは日本特有の現象です。アメリカ合衆国では、必要以上の薬を処方すると医師が処罰される法律ができていて、薬の処方には極めて慎重ですし、欧州でもこれほど薬をたくさん出す国はありません。 日本では普通と考えられているこんなことが「当たり前」と思うあなたは、世界から見ると極めて変人なのです。日本では変な遠慮があって、ある医師が処方した薬を他の医師が否定することはまだまだまれで、複数の医師を受診するたびに薬の種類や量が増えてしまいます。 たくさんの薬を長期間にわたって服用させられている皆さんは、医師や薬剤師に「薬を減らしたい」という意思表示をしっかりして相談にのってもらうことです。もし相談にのってもらえなければ、他の病院でセカンドオピニオンを受診することをお勧めします。 代謝を止める新薬は最低限にして、症状が落ち着いたら代謝に流れをつける漢方薬を服用すべきです。 薬についてもっと詳細に知りたい方は、新潟大学大学院医学部教授の安保 徹先生が出版された「薬をやめると病気は治る」(マキノ出版)を御覧下さい。

  • 日本での西洋医学は間違い

    現在の近代医学(日本では通称西洋医学)は、原形がドイツでできあがったものです。したがって様々なことが東洋医学とは異なります。 欧米のTVや映画に精通している方なら御存知のこととは思いますが、欧...

    日本での西洋医学は間違い

    現在の近代医学(日本では通称西洋医学)は、原形がドイツでできあがったものです。したがって様々なことが東洋医学とは異なります。 欧米のTVや映画に精通している方なら御存知のこととは思いますが、欧米人たちは他人の「脈」を診る時に頚動脈に指を当てて診ています。一方東洋では「脈」は手首で診ることが主流となっています。 一体何故でしょうか? 答は簡単です。皮下脂肪の厚さの影響です。 一般に白人系欧米人(アングロサクソン系やゲルマン系民族等)は、寒さに抵抗するために皮下脂肪が厚く、手首では取りにくいために、皮膚表面付近を通る頚動脈で「脈」を診るのです。これに対して温暖な中国では血管が浅い部分を通っているので中国では手首で脈を取る医学が発達しました。このことは体質の大きな違いを生みます。 例えば体表の皮下脂肪の厚い白人系欧米人は、体内の消化器系粘膜も日本人の2~3倍と厚く、少々の新薬等では胃腸が障害を受けにくいことが知られています。また体表の皮下脂肪が厚いので、全身が厚い脂肪組織で包まれているために断熱効果が高く、汗腺数も日本人よりも少ないということです。特に北欧系の人々は、日本人に比して汗腺数が約半分またはそれ以下であることも知られています。 このような体質的特徴は寒さに抵抗するためであって、代謝熱をにがさないように皮下脂肪を厚くしているほか、皮膚の冷却システムでも発汗後に皮膚表面に残る水分が外気でかえって冷えを生んでしまうことから、汗腺数を減らして冷えを避ける工夫がなされています。このため白人系欧米人は代謝熱を脂溶性成分(皮下脂肪)にのせて皮膚まで運搬して気化させて排熱しているのに対し、黄色人種である日本人は代謝熱を水溶性成分(汗)にのせて皮膚まで運搬して気化させて排熱しています。        胃腸の粘膜の厚さ 皮下脂肪の厚さ 代謝熱の運搬方法 日  本  人 薄 い 薄 い 水溶性成分(汗) 白人系欧米人  厚 い 厚 い 脂溶性成分(皮下脂肪) 欧米人が日本人が嫌悪感を感じるほど強力な香りの強いハーブや食品を好むのは、香りの強い成分がみな脂溶性成分で揮発性が高く、体表からの排熱を促進させるためであって極めて当然のことなのです。 このような代謝上の違いから、風邪を引いた時の治療法も日本とは全く異なります。日本で風邪を引いた場合には、葛根湯や生姜湯や梅干粥などを摂って体温を上げ、布団をかぶって汗を出し、熱を汗という温水にして排泄することで熱を下げています。 ところが汗腺数の少ない欧米人(時に北欧系欧米人は汗腺数が約半分またはそれ以下と言われている)は、発汗させようとしても汗で排泄できる熱量に限界があります。そこでサウナへの出入りを繰り返して徐々に体表に血液を集めて外気や水浴で冷やして排熱したり、ミントやカモミールなどをはじめとする香りが強く揮発性の高い精油成分をたっぷり含むハーブをお茶にして飲み、皮膚からの排熱を促進して熱を下げています。 このように代謝熱の処理方法が基本的に異なる体質のために、病気の治療法も全く同じに考えることは好ましくないということです。 例えば風邪薬・解熱鎮痛剤やリウマチ治療薬として名高い「アスピリン」では、重篤な「ライ症候群」が報告され、特に北欧では小児の副作用発症率が高く、死亡例も報告されています。ところが日本では、これまでほとんど副作用の報告例はなく安全な薬として知られています。 一般に風邪を引いた時に全身の熱量を温水として発汗によって排熱しようとすると、白人系欧米人は汗腺数が少ないので、駅の少ない改札口に大量の人々が殺到したようにオーバーヒートして皮膚が大量の熱で変性してしまいます。これらが「ライ症候群」や「中毒性皮膚壊死症候群」の本態です。したがって布団にもぐったり、スポーツやサウナ等によって徐々に皮膚温度を上げて発汗するのなら問題がありませんが、特に汗腺の未発達な小児の白人系欧米人には「アスピリン」はもちろん、漢方薬では葛根湯や麻黄湯等の発汗性処方による急激な発汗は大変危険ですから注意が必要です。 このような体質の相違による理由から、欧米で正しいことが日本で正しいとは限りませんし、日本での医療常識が欧米で正しいとはかぎらないのです。よく海外留学してきた医師が「海外ではこのようにするのが常識です!」と得意になってTVなどで話をしていますが、決して「鵜呑み」にしてはいけません。

  • 漢方は本場中国なら良いというのは間違い

    皆さんはご御存知ないかもしれませんが、中国でいわゆる漢方(中国では中医学という)を学ぶ中医学院では、中国本土が極めて広いために、地域差による気候や食生活の違いによる体質の違いを学ぶようにカリキュ...

    漢方は本場中国なら良いというのは間違い

    皆さんはご御存知ないかもしれませんが、中国でいわゆる漢方(中国では中医学という)を学ぶ中医学院では、中国本土が極めて広いために、地域差による気候や食生活の違いによる体質の違いを学ぶようにカリキュラムが組まれていて、そこで学んだ中医師達は、気候や食生活の違いを考慮した漢方薬を処方するように教育されています。 例えば、北京や西域では乾燥が強く一日や一年中での気温差が大きいために、身体に潤いを保たせ、寒さ・暑さに対応できる(厳密には季節ごとに異なる)処方が中心になります。一方南方の四川・雲南などの地域では標高が高いので酸素が乏しく、紫外線も多く、気温変動が大きく、体内に水分がたまって冷えを受けたり、逆にこもった熱が水分とともに体内で煮えたぎるようになって身体が熱を受けやすいので、酸欠や水分代謝に重点を置いて安定した代謝になるようにしています。その中間が上海や台湾付近の中医学になります。 現在の日本の気候・体質・食生活・生活スタイルなどを考慮すると、この中間の上海や台湾あたりの中医学を参照とするならよいでしょうが、どうも日本人は首都北京付近の中医学が一番権威があるものと捉えているせいか、身体に潤いを保たせる四物湯類などの滋潤剤や、脂溶性の熱を揮散させる香りの強いハーブ類ばかりを処方することを勉強してマネする日本の漢方家が多く、必ず間違っているとは言えないものの、体質に合わないという人が多くいるのも事実で注意が必要です。 日本はこんなに小さな島国ながら「きのこ」の種類と量は世界でもトップクラスです。飛行機で空から大地に目をやれば、先進国のなかでこれほど緑の多い国はありません。日本は世界でも有数の湿度の高い国なのです。ビルやマンション等の建築物が、建てた直後から「カビ」が問題となるのも日本特有です。 このような地域の医療としてふさわしいのは、やはり水分代謝を中心とした医学であるべきです。また近年、温暖化が進んでいることから、漢方を学ぶ方は四川・雲南地域や台湾などあるいはもっと南方のベトナムやフィリピンの医学を参考にする必要があります。

  • 良い医師と悪い医師の見分け方

    私の弟は都心の一流のS病院での研修時のカンファレンスで、必要の無い薬・検査をするなと徹底的にたたき込まれたそうです。 例えばある患者に検査をして、その症状に対応する薬を投薬してほんの1~2週間後...

    良い医師と悪い医師の見分け方

    私の弟は都心の一流のS病院での研修時のカンファレンスで、必要の無い薬・検査をするなと徹底的にたたき込まれたそうです。 例えばある患者に検査をして、その症状に対応する薬を投薬してほんの1~2週間後に同じ検査をしたら怒鳴られたそうです。「その検査数値はそんな短期間では変化しない。患者の身体に対する負担と経済的損失を考えろ!」と。それ以来、弟は、検査そのものの意義を徹底的に学び、無駄な検査や薬は出さないようにしています。 その後、米国コロンビア大学へ留学して帰国しましたが、米国の医師からは「日本の医師は、なぜすぐに抗生物質を使用し、また長期間にわたって投薬するのか?」とか「何故ステロイド剤を何年も続けて投薬することが一般化しているのか?」とよく質問されたそうです。米国で学んできた弟はカルチャーショックを受けて帰国しました。 米国にも様々な医師がいるとはいうものの、優秀な医師ほど薬をあまり使用しないことを学んだからです。特に初診では、基本的に薬を出さないことが一般的です。これには理由があります。従来からの近代医学が行き詰まりを見せ、あらゆる病気の大半がストレスによって起こることが知られるようになり、検査項目ごとに薬によって「モグラ叩き」をして抑えつける医療が間違いであると考える医師が増えてきたことによります。 この辺のことは、リンパ研究の世界的権威である新潟大学大学院医学部教授・安保 徹先生や、独自の医学的見地から大変注目を浴びている石原 結實先生らの著書をご覧になるとよくわかります。 動物行動学の研究から次のようなことがわかってきました。 動物も人間のように病気になりますが、野生の動物には病院も医師もなければ、検査や薬もありません。では、野生の動物は一体どのようにして病気を治療しているのでしょうか?正解はとにかく寝ることです。群れから離れ、風の当たらない冷えない場所で、3日でも4日でも飲まず食わずで寝るのです。すると前出の安保・石原氏らの理論通りに、寝ると副交感神経が活性化してリンパ球が増加し、身体の解毒・排泄システムの大半が副交感神経支配のため、体内の発ガン物質などの毒素はみな排泄され、体内がクリーンアップされて免疫力が向上して病気の治癒に向かうのです。 これらのことから、薬で熱・炎症・腫れ・痛みなどを長期間にわたって薬で止めてしまうことがいかに無意味であるかおわかりいただけると思います。 身体にとって「病気の治療」すなわち「治癒」とは、一時的に薬を服用したとしても、その後は何の治療も施さなくても良いようにすることです。したがって「薬で体調をコントロールしましょう。」と言われれば、「治療して元にもどすことは無理です。」と言われたのと全く同じことを意味します。 ちなみに弟が学んできたコロンビア大学では「ずっと頭痛がする。」とか「胃の調子が悪い。」と言われても基本的に医師は薬を出さず、「いつから」「どんな風に」と詳しく症状を聞き、さらに「何か悩み事は?」「食事はしていますか?」「きちんと睡眠をとっていますか?」と対処すべきストレスの原因をつきとめ、ストレスの対処法を教えます。すると「何だ!専門家の医師に診てもらっても何ともないんだ!」と安心します。安心するとリンパ球が増えて免疫力が上がり、少々の潰瘍ならば快方へ向かうのです。それでも「先生、やはり眠れません!」というと軽い入眠剤を与えてとにかく患者を眠らせます。すると先ほどの動物達と同じでリンパ球が増え、免疫力が上がって「治癒」に向かうのです。 私の弟は嘆いています。「日本では患者が医師を頼って来るのに、何故心配させて帰すのか?」と。 日本の医療機関ではすぐに「血液検査」をして、次にCT、MRさらに「組織検査」と次から次へと検査ばかりで患者を不安に陥れます。不安な毎日を過ごすとリンパ球が減り、発生する活性酸素で病気が進行することが医学的に証明されています。 ですから、本来ならば他人に医療を施す者は、患者に希望を与えて帰さなければならないのです。 そこで良い医師と悪い医師を見分けるコツは以下のようになります。 良 い 医 師 悪 い 医 師 患者との対話にきちんと応じる 患者の話に耳を貸さず一方的に話を進める きちんと説明した上で必要な検査のみを行う 詳しい説明もなく数多くの検査を行う 初診では薬を出さないか出しても数種類 初診から十種類以上の薬を出す 風邪で診察されてもあまり薬を出さない 風邪で診察されるとすぐに抗生物質を出す 検査数値が異常でも少々なら薬を出さない 検査項目に合わせてたくさんの薬を出す 血糖値や血圧が少々高くても様子を見る 血糖値や血圧が少しでも高いと薬を出す 治療効果が見えない時は違う治療法にする 薬でコントロールする様に同じ薬を続ける ステロイド剤を使用する時は中等度以上のものを短期間使用する...

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病気のメカニズム

我々の身体はなぜ病気を発症するのか。

その仕組みを紐解き、健康に過ごすためのお手伝いをいたします。

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