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健康コラム

コラーゲンの本当の力

コラーゲンの起源につい

今から6~8億年ほど前、地球は全球凍結(スノーボールアース)となって、外見上完全に凍りついていました。

 

当時未発達の生命体は、まだ微生物(単細胞)であったものの、これらの微生物のごく一部はコラーゲンを有していたそうです。海底火山の回りで細々と生活していた彼らには、コラーゲンを増やす能力がなかったものの、やがて地球が温暖化して酸素が地球上に満ちてくることによって大量のコラーゲンをつくり出し、細胞同士がくっつき合って多細胞生物が生まれ、ついには恐竜等の大きな生命体を育むまでになりました。

 

もし地球上にコラーゲンが存在しなければ、地球上の生物はすべて微生物のままであったであろうと言われています。

 

では何故あらゆる生物がコラーゲンを利用したのでしょうか?
それは、タンパク質の中でもコラーゲンが特異な性質を持っているからなのです。

普通タンパク質と言えば、熱を加える(焼く・煮る・蒸す・炒める)と凝固(固まる)しますが、コラーゲンは逆に融解(溶ける)性質を持っています。これは硬タンパク質に共通の性質です。

 

生物(主として動物)は、この特殊なコラーゲンに目をつけて進化してきたのです。

 

水中で生活していた動物たちは、肺呼吸を身に付けて陸上へ上がって来ようとしました。ところが、水中と異なり重力のある陸上では、大きな身体を支えるために丈夫な中心となる軸が必要だったのです。これにうまく合致したのがコラーゲンです。

 

コラーゲンは温度が保持されていれば水も油も吸収してゼリー状になることができます。またコラーゲンは水と油の相反する物質を任意の適当なバランスで同時に吸収・保持することも可能なのです。また水分を保持できることから水溶性であるミネラルも貯留しておくことができるうえ、例えばカルシウム等を大量に貯留しておくと丈夫な「柱」の役目も果たします。さらには油分も保持できるので脂溶性ビタミンや栄養源である脂質など相反するものを同時に保持できるのです。

 

動物が陸上で生活してゆくためには、乾燥から身を守るための水分と油分の保持が欠かせません。また代謝の触媒でもあるミネラルを安定的に利用するためには、自分の身体のなかにミネラルを貯留しておく必要もあります。これらの条件すべてを満たすのが、コラーゲンなのです。これほど便利な物質は他にありません。動物は陸上に上がることで積極的にコラーゲンを利用し始め、重力のある陸上で大きくて重たい身体を支える丈夫な「骨」を手に入れたのです。

 

もしかして大発見?

ここでひとつ面白いお話をしましょう。

 

皆さんは地球上の動物のうち、恒温動物の体温が、ほとんどの場合35~42℃くらいに集中していることに疑問を持ったことはありませんか?

 

私は、このことに疑問を持ち調べてみたところ、コラーゲンの融点(溶ける)温度が40℃前後なのです。さらに興味深いのは、動作の機敏な動物ほど体温が高く、動作が緩慢でじっとしている動物ほど低体温なのです。

 

ゼリーを作ってみるとわかりますが、冷蔵庫で冷やしてできたゼリーは硬さもしっかりしているものの、温めると40℃付近で溶けてしまいます。また水分を多めに作るとプルンプルンになりますが、水分を少なめに作ると硬くて食べられないほどにもなります。

 

このことから、体温と水分含量で自分の身体の丈夫さと柔軟性を調節していることがわかります。

 

例えば、同じ動物でも有袋類で樹上生活をしてじっとしている動物などは35℃台であったり、逆に鳥類でもエミュー・キウイやニワトリのように飛ばない鳥類は40℃台、渡り鳥など飛ぶ運動性の高さを必要とするものは41~42℃となっています。

 

つまり動物は、自分に必要な運動性・柔軟性を考慮して、保水力と体温をコントロールしながら自身の丈夫さ(硬さ)と柔軟性をコントロールしているのです。

 

最初にこのことに気が付いた時は、全身に電気が走り「世紀の大発見だ!」と思いましたが、調べてみると1950年代(私が生まれる前)にアリゾナ州立大学のHo教授らがすでに発表していて、現在では考古学の世界で鳥類の化石が発見されると、そのコラーゲンの溶ける温度で「飛ぶ」ことができたかどうかの判別に利用されているようです。「残念!」

 

体温と病気の関係

前述のように体温と水分含量で丈夫さ(硬さ)を調節できるほかに、ミネラル、特に海中に無尽蔵にあるカルシウムを保持させることで、硬さとしなる強靭さを兼ね備えた「骨」を身につけた動物たちは、爆発的に増加・進化してゆきました。

 

移動して捕食する動物は、運動能力が必要なために身体の柔軟性が要求されるので、コラーゲンの溶けやすい40℃前後の体温が安定的に必要とされ、恒温動物へと進化していったものと思われます。それとともに代謝熱の安定的な保持と放熱が必要とされましたが、断熱効果が高く水分・油分を安定に保持できるコラーゲンを皮膚に多く含有させることで、代謝熱の安定な蒸泄ができるようになっていったのです。

 

恒温動物の酵素反応などの生体反応のほとんどが40℃付近の狭い範囲内に限局されるのは、コラーゲンの融点(溶ける温度)による制限に対応した進化の結果です。

 

したがって、今日の日本人のように低体温になると、安定して37℃付近(明治時代の日本人の平均体温は36.8℃でした)になるように進化してきた代謝に逆らうことになります。低体温が人類の代謝の進化にいかに重大な影響を及ぼすかということを認識して下さい。

 

また最近の研究では、ストレスによって交感神経が過緊張を起こし、増加した顆粒球が体内の間質系細胞、例えば粘膜上で死滅するときに大量の活性酸素をまき散らし、コラーゲンを破壊して減少させることが知られるようになりました。端的に言うなら、ストレスで交感神経が異常に興奮するために低体温になる上に、コラーゲンが減少するということですから、ストレスの下での生活習慣は日本人の代謝の進化に完全に逆らっていることになります。

 

コラーゲンはあらゆるところに利用されている

カルシウムを中心とするミネラルの貯留・放出
皮膚 70%がコラーゲンで出来ているため、外傷などの物理的刺激から身体を守ることができる。
保水・保油効果と断熱・保温効果がある。
皮膚からの代謝熱の蒸泄を助ける。
湿度の高い地域(日本人型)・・皮膚表面まで温かい水分をしみ出させる。
湿度の低い地域(欧米人型)・・皮膚表面まで温かい油分をしみ出させる。
血管
血管
リンパ管
柔軟性を失わないようにコラーゲン含量が多い
消化管
心臓
子宮
肺など
柔軟性と強靭性を持つ必要がありコラーゲンが多い
その他 髪の毛・目などあらゆるところで柔軟性・保水性・保油性のためにコラーゲンが利用されている

 

コラーゲンは日常生活に必要不可欠です

ひと昔前までは、日々肉体労働者が仕事を終えた後に、モツの煮込みなどをつまみに酒を飲んだものです。 ハードな肉体労働でも残存する代謝熱で溶けてコラーゲンは減りますが、最近では前述のように肉体労働よりもストレスで発生する活性酸素によって減ることの方が多くなっていますので以前にも増して補給する必要があります。

 

そのひとつが膠原病です。
膠原病はその字の通り、膠(にかわ)質がストレスで減少する病気ですので、特にコラーゲン(ゼラチン質)の補給が不可欠です。

 

また様々なコラーゲンが出回っておりますが、私共が懇意にしていた元・日本免疫学会会長、(故)山中 太木先生(京都大学名誉教授)の研究から、牛・豚・鶏・魚類等のコラーゲンを使用して人体への免疫活性度を測定した結果、豚の皮由来のコラーゲンが最も免疫活性化効果が高いことを先生より学び、私共の臨床例を利用してその有用性を日本漢方交流会に誌上投稿したことがあります。

 

山中先生はお亡くなりになりましたが、先生の生前の業績をまとめ上げた「遺稿集」には、日本で最初に豚皮由来のゼラチンを臨床に応用したのは、当店の笠井きよ子であると記載されています。

 

思い出せば私が東京薬科大学の大学院時代に、となりの第二薬理学研究室で豚の皮膚を用いた皮膚呼吸の研究がなされていましたが、「なぜ豚なのか?」という問いに対して「豚の皮膚の呼吸商が人体の皮膚の呼吸商に近いから。」という話をうかがったことがありました。

 

考えてみると、豚は動物(けもの:毛もの)なのに体毛がほとんどなく、体温も人間とほとんど変わらないことから、代謝熱の蒸泄のしくみは人間に近くて当然だということが今頃になってようやくわかりました。

 

一般的なけものは、体毛に代謝熱を伝導・分散させて排熱していますので、代謝熱の排熱方法が全く異なります。よく動物実験でラットやマウスを用いたデータが引用されますが、人体に対しての効果が違うことがほとんどです。これには皮膚呼吸システムの違いという根本的な問題があるのです。したがって動物(特に体毛の多いけもの)の実験データを鵜呑みにしてはいけないということがおわかり頂けたのではないでしょうか。

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漢方範士

笠井 聖子

薬剤師 薬学修士
(生薬学)

笠井 良純

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