良い医師と悪い医師の見分け方

私の弟は都心の一流のS病院での研修時のカンファレンスで、必要の無い薬・検査をするなと徹底的にたたき込まれたそうです。 例えばある患者に検査をして、その症状に対応する薬を投薬してほんの1~2週間後に同じ検査をしたら怒鳴られたそうです。「その検査数値はそんな短期間では変化しない。患者の身体に対する負担と経済的損失を考えろ!」と。それ以来、弟は、検査そのものの意義を徹底的に学び、無駄な検査や薬は出さないようにしています。


その後、米国コロンビア大学へ留学して帰国しましたが、米国の医師からは「日本の医師は、なぜすぐに抗生物質を使用し、また長期間にわたって投薬するのか?」とか「何故ステロイド剤を何年も続けて投薬することが一般化しているのか?」とよく質問されたそうです。米国で学んできた弟はカルチャーショックを受けて帰国しました。


米国にも様々な医師がいるとはいうものの、優秀な医師ほど薬をあまり使用しないことを学んだからです。特に初診では、基本的に薬を出さないことが一般的です。これには理由があります。従来からの近代医学が行き詰まりを見せ、あらゆる病気の大半がストレスによって起こることが知られるようになり、検査項目ごとに薬によって「モグラ叩き」をして抑えつける医療が間違いであると考える医師が増えてきたことによります。


この辺のことは、リンパ研究の世界的権威である新潟大学大学院医学部教授・安保 徹先生や、独自の医学的見地から大変注目を浴びている石原 結實先生らの著書をご覧になるとよくわかります。


動物行動学の研究から次のようなことがわかってきました。


動物も人間のように病気になりますが、野生の動物には病院も医師もなければ、検査や薬もありません。では、野生の動物は一体どのようにして病気を治療しているのでしょうか?正解はとにかく寝ることです。群れから離れ、風の当たらない冷えない場所で、3日でも4日でも飲まず食わずで寝るのです。すると前出の安保・石原氏らの理論通りに、寝ると副交感神経が活性化してリンパ球が増加し、身体の解毒・排泄システムの大半が副交感神経支配のため、体内の発ガン物質などの毒素はみな排泄され、体内がクリーンアップされて免疫力が向上して病気の治癒に向かうのです。


これらのことから、薬で熱・炎症・腫れ・痛みなどを長期間にわたって薬で止めてしまうことがいかに無意味であるかおわかりいただけると思います。


身体にとって「病気の治療」すなわち「治癒」とは、一時的に薬を服用したとしても、その後は何の治療も施さなくても良いようにすることです。したがって「薬で体調をコントロールしましょう。」と言われれば、「治療して元にもどすことは無理です。」と言われたのと全く同じことを意味します。


ちなみに弟が学んできたコロンビア大学では「ずっと頭痛がする。」とか「胃の調子が悪い。」と言われても基本的に医師は薬を出さず、「いつから」「どんな風に」と詳しく症状を聞き、さらに「何か悩み事は?」「食事はしていますか?」「きちんと睡眠をとっていますか?」と対処すべきストレスの原因をつきとめ、ストレスの対処法を教えます。すると「何だ!専門家の医師に診てもらっても何ともないんだ!」と安心します。安心するとリンパ球が増えて免疫力が上がり、少々の潰瘍ならば快方へ向かうのです。それでも「先生、やはり眠れません!」というと軽い入眠剤を与えてとにかく患者を眠らせます。すると先ほどの動物達と同じでリンパ球が増え、免疫力が上がって「治癒」に向かうのです。


私の弟は嘆いています。「日本では患者が医師を頼って来るのに、何故心配させて帰すのか?」と。


日本の医療機関ではすぐに「血液検査」をして、次にCT、MRさらに「組織検査」と次から次へと検査ばかりで患者を不安に陥れます。不安な毎日を過ごすとリンパ球が減り、発生する活性酸素で病気が進行することが医学的に証明されています。


ですから、本来ならば他人に医療を施す者は、患者に希望を与えて帰さなければならないのです。


そこで良い医師と悪い医師を見分けるコツは以下のようになります。


良 い 医 師 悪 い 医 師
患者との対話にきちんと応じる 患者の話に耳を貸さず一方的に話を進める
きちんと説明した上で必要な検査のみを行う 詳しい説明もなく数多くの検査を行う
初診では薬を出さないか出しても数種類 初診から十種類以上の薬を出す
風邪で診察されてもあまり薬を出さない 風邪で診察されるとすぐに抗生物質を出す
検査数値が異常でも少々なら薬を出さない 検査項目に合わせてたくさんの薬を出す
血糖値や血圧が少々高くても様子を見る 血糖値や血圧が少しでも高いと薬を出す
治療効果が見えない時は違う治療法にする 薬でコントロールする様に同じ薬を続ける
ステロイド剤を使用する時は中等度以上のものを短期間使用する 弱いステロイド剤だから副作用も安心と説明して長期間使用する

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